1997年(平成9年)4月26日 国立文楽劇場集合。
「通し狂言 義経千本桜」。
はじめてちゃんと観るので、自分がどう思うか心配しつつ。
↓
「国立文楽劇場、初めて行ってきました。
観る前に、会議室で、簑助さんのお話を聞いて、
簑太郎さん、簑二郎さん、簑一郎さんにもお会いして、
舞台の上とか、下駄のところとかみせていただきました。
立派な衣装の人形をさわらせていただいたり。
宝塚や劇団四季、野田秀樹さんのお芝居etc、いろんなところで舞台の裏をみせていただきましたが、
文楽の楽屋は、ドーランのにおいがしないので、雰囲気がちがいます。
人形のにおいがする。
客席にいって驚いたのは、あまり傾斜のないこと。
しゃがんでる黒衣の方とか見えない方がよいからなのでしょうが、
傾斜がある方が観る方としては、楽みたい・・・
・・・最初に幕があいたとき、人形が動きだしたとき、
1年じゃぁ間に合わない、と切実に感じました。
来年6月にとにもかくにも人形を動かさなくてはならないわけですが、
いったいどうなるのかしらと。
・・・だんだん楽しめるようになって、
語りも慣れてくるとだんだん、内容がわかるようになってきて・・。
三味線の方と大夫の方は、回転してでてこられますよね。“キャッツ”みたい。
ある人形がしゃべってるときに、他の人形がストップしているところは、オペラみたい。
お里は、なんてしなやかに動くのでしょう。目が離せなくなってしまいました。
なんだか、かわいい。
お里と、“道行”で静御前が舞うところ、狐が飛んでゆくところが、
印象的だったかな?あと変身するところ。
狐が飛んでゆくところは、人間ごと飛んでいったので、
文楽って人間も飛ぶんだ〜!とびっくり。さらに木までのぼっていってしまって。
左を遣う方がいろんな小道具をだしてくるのも楽しかったし、
忠信が狐に戻りつつあるときの足もおもしろかったし、“道行”は、華やかですね〜。
セット(書割?)はリアルじゃないけど、でも人形の世界にはそれがあってるんですね。
“道行”で、三味線の方がいっぱいいらっしゃったこともびっくり。
座っていたのが、三味線の方がよく見えるところだったので、しみじみ拝見させていただきました。
文楽の題材というのは、昔からあるものばかりなのでしょうか?
文楽で新撰組とか、坂本竜馬とか扱ったりってないのかな?楽しいと思うんですけど。
小金吾の立ち回りの場面を見てて、新撰組・・って思ったんです。
プログラムに、出てらっしゃる方の顔写真とお名前くらいのっていると
楽しいだろうなぁとか、そんなことも考えてました。
それにしても、初めてちゃんと文楽劇場で拝見して、
これで拒否反応だったら、どうしよう・・とひそかに心配していたのですが、
けっこう楽しめたので、ひと安心です。
休憩が20分で、私はとっても忙しかったのだけど、
皆さん慣れてらっしゃって、すばやくて、これもびっくりでした。
“義経千本桜”いよいよ千秋楽ですね。
1カ月、お疲れ様でした。・・・」
と、感想メールを送ったものでした。
「1年じゃぁ間に合わない」と書いたので、
「・・・この感じはよく覚えています。研修生になって初めて太棹を持って稽古が
始まったとき、私もこんな風に感じました。
何となくそのころのことを思い出しています。・・・」と三味線さん。
思えば、私のトンチンカンなお話をよくぞ聞いてくださったものです。
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